神保町にあるおしゃれな古本屋さん『ボヘミアンズ・ギルド』で見つけた『それいゆ臨時増刊 手芸集』(昭和31年11月発行)。中原淳一による美しい女性のポートレイトでおなじみの『それいゆ』の表紙が、この増刊号では内藤ルネによるキュートでファンシーなイラストに変わっている(ちなみに、この雑誌が出た頃の名前はまだ内藤瑠根となっている)。
「日本の可愛いはルネから始まった」とは、2005年7月に開催されたコレクション展の副題。そのことばにうんうんうなずいてしまうほど、この「手芸号」は、ルネ版カワイイが満載だ。
ちなみに、表紙を飾ったこの男の子の名前は「おしゃれなレモン君」。「レモンの夢は、映画のキャメラマンになって、ゲイジツ作品を残したいというコト」なんてちゃんとキャラクター設定までされている。たしかにベレー帽が「ゲイジツ」を志向している少年のささやかなアピールになっているような気も。
ページをめくると、大きな瞳、細くて長い首、すらりと伸びる手足、という女の子の憧れルックスのお人形も登場。添えられたファッショナブルな大人向けの雑誌も背伸びをしたい年頃の少女たちにとってためいきの対象だったのでしょう。
アップリケの図案もかわいい。日本のこけし風のものとか、今ではなかなか手に入らそうなデザインもあって貴重だ。
アップリケって大人になってしまうと使い道が浮かばないけど、今なら消しゴムハンコの図案にしてもかわいいかも。
ちなみに原宿にあるルネショップ1号店には、この『それいゆ』に掲載されている手芸図案をほうふつとさせるキャラクターの文具やグッズも置かれていて、自分ではちくちくしないけどこのキャラクターはカワイイ!と思う向きはチェックしてみるといいかも。もちろん、オンラインショップでも買えます。