『北欧のおいしい話』や『北欧のおいしい時間』の著者でありコピーライターの森百合子さんが、田園調布駅すぐそばの味わい深い日本家屋に小さな雑貨店『Sticka』をオープンした。
フィンランド大使館による子どもたちのウェブサイトの日本語版編集やライティングを担当し、自らも北欧をよく訪れるという森さんがお店をオープンすることになったのは、「もともと食器集め、特に北欧のものが好きで、自分で使うために集めているうちについついはまってしまった」からなのだとか。
Stickaが扱うのは北欧のヴィンテージの食器が中心。特に森さんがこだわっているのが、北欧モノでも、フィンランドやスウェーデン、デンマークに比べるとまだあまり知られていないノルウェーだ。
たとえば、上は、1946年創業、1979年に他社に買収されその歴史を閉じたノルウェーの食器メーカー、スタヴァンゲルフリントの食器。落ち着いた色、おばあちゃんちの戸棚で見たことがあるような温もりいっぱいのデザインだ。
「ノルウェーってこういう素朴な感じのものがあるかと思えば、サイケな色使いのものがあったりと、他の国に比べると独特でちょっとぶっとんでいる感じが面白いんです」と森さん。
ちなみにこちらがその”サイケな”ノルウェーもの。確かに。
コレクターに人気の、ロイヤルコペンハーゲンのイヤーマグも扱う。ヴィンテージならではのハンドペインティングが魅力だ。
ちなみに、ウェブサイトには、ブルックリンから届いた小物も扱うとあるが……。
「ブルックリンのハンドメイド作家 tomo & timo の作品を販売しているんです。ヴィンテージの布を使ったマカロン型メジャーやサシャ、手袋やカップカバーなどどれもすごく可愛いですよ」
表裏でインチ(inch)とセンチ(cm)が計れるマカロンメジャー。イチゴ柄のものを購入してしまった
ぬくぬく温かそうなカップカバー
「今は雑貨類を扱うだけですが、北欧の食べ物が好きなので、それを試食できるイベントもやってみたいと思っています。田園調布には美味しいお店がいっぱいあるので彼らと一緒にやれたらと。店名のStickaは、スウェーデン語で「編む」という意味なんですが、関係を編みつないでいけたら、という希望も込めています」と森さん。
最後に、個人的に気になった、北欧家具に混ざってちゃっかり置かれている赤べこの理由を尋ねると…。
画面右上には我らが赤べこ!
「赤べこって、スウェーデンの伝統工芸品であるダーラヘストにちょっと通じるものがありますよね(笑)。会津木綿が好きなんですがマリメッコのようにカワイイなと。個人的にはすごく北欧雑貨に合うと思っています。
会津若松は雪国で寒い地域で、保存食が豊かなところが北欧諸国に似てるなと。鱈やニシンをよく食べるところも一緒。いずれは会津若松の漆とか工芸品も集めたいなと思っています」
しばらくは毎週火曜日だけの限定オープン(月に一回、土曜日もオープン予定)で、その他の曜日は予約制というお店だが、田園調布からはIKEA行きシャトルバスも出ていることだし、ワンデイ北欧ショッピングのルートに、ぜひ加えたいかわいいお店である。