乙女チップス
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大正ロマンの乙女温泉、積善館

こんなにベタな日本人になるとは、乙女の頃は思いもしませんでしたよ、お母さん。秋らしくなってくると、とたんに温泉が恋しくなってたまらないのですもの。

どうせ行くなら、源泉掛け流しの、自然豊かな場所に佇む古い日本旅館を訪れてみたいもの。そんな場所を夢想する私の脳裏に浮かぶのは、数年前に訪れた群馬は四万温泉の「積善館」である。

積善館は、あの『千と千尋の神隠し』のモデルになった旅館の一つとして有名で(最近、ホームページに紹介動画もアップされた)、元禄4年頃(1691年!)に建てられた玄関が残っているという老舗旅館。現存する日本最古の湯宿建築として群馬県の重要文化財にもなっている。

写真はそんな積善館で一番人気のお風呂「元禄の湯」。昭和5年に作られた大正ロマン風の内装と、アーチ窓がとっても乙女。窓ガラスの格子の形もキュートです。こちらも国の登録文化財、群馬県の近代化遺産になっているそう。

毎分900リットルが自然に湧き出るという源泉掛け流しのお湯も自慢のこのお風呂。産湯からこの温泉に浸かってきたという女将の驚くような美しさも、女子の胸を高鳴らせます。たっぷり浸かってあやかりたい。

こちらが外観。やっぱり千と千尋っぽい。

宿の周りには、スマートボールのお店なんかもあって、ノスタルジックなお散歩も楽しめる。

らんぷの本 東郷青児〜蒼の詩 永遠の乙女たち』の著者である野崎泉さんの乙女教会シリーズにならって(笑)、わたしも乙女温泉をめぐる旅に出たくなる秋の夜。とはいえ、あとは熱海の「ホテル大野屋」のローマ風呂ぐらいしか思い浮かばない私には、シリーズ化はまだまだ先になってしまいそう。どなたか乙女な温泉旅館をご存知の方、教えてください。

<関連サイト>

積善館

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