「アール・デコの美術品」と呼ばれる、旧朝香宮邸、現東京都庭園美術館。
前回はその美しい洋館の「ラジエーターカバー」ばっかりご紹介してみたが、続いてはみんなも真似できるか? の照明篇。正直、ラジエーターカバーに凝るのは普通のおうちは厳しいけど、照明だったら参考になるかも? ですよね。
と、いいつつ、最初にご紹介するのは、これは高いだろうなぁ……と思わずため息のルネ・ラリックによるシャンデリア<ブカレスト>。大客室に二基吊り下げられいるこの照明は、金銀&エッジの効いたガラスの組み合わせから来るきらびやか印象の一般的なシャンデリアとは全く違い、厚ガラスにシンプルな装飾を施したもので、存在感はあるが明かりはとても優しい。
続いて、これまた全く真似できそうもないゴージャスな照明。こちらもルネ・ラリックによる<パイナップルとざくろ>という照明器具。大食堂に3基設置されている。
キラキラしすぎないガラスの照明って本当にすてきです。食堂らしく、フルーツをテーマにした内装の一環として作られたよう。
豪華な階段を上って二階ホールへ。ここには宮内省の内匠寮が手がけた装飾性の高い照明柱があり、天井の大きな丸い照明とともに、訪れる人をはっとさせる美しい明かりの空間を演出している。
……と、なんだか真似しようにも真似できそうもないスケールの照明ばかりになってしまったので、ここからは普通の参考になりそうな照明を一挙ご紹介。
<下の写真>姫宮寝室前小広間の照明
<下の写真>小食堂の照明
<写真下>妃殿下居間の照明
<下の写真>妃殿下寝室の照明
<下の写真>2階ベランダの照明
<下の写真>若宮居間の照明
<下の写真>若宮合之間の照明
<以下3点>撮影場所不明
姫宮や若宮の照明がちょっとポップで、その他の照明はシックで温かみ重視だったりするところが面白い。個人的にはフリルが愛らしい妃殿下寝室の照明に憧れる。でも、どれもやっぱり匠の技を感じさせる見事な工芸品といった趣で、なかなか現代では手に入らないか、入っても高そうなのは否めません。
最後にご紹介するのは下の大広間の照明。白熱灯を40個連ねているそうで、身近な素材もレイアウトと数と並べ方でぐっとデザイン性が高まるというお手本。
白熱灯をたくさん並べるアイデアなら真似できるかも! 残る課題は、部屋の広さ、でしょうか……。
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