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世界を癒す、デンマークのクリスマスシール

クリスマスシールという存在をご存知だろうか。これは、現在、結核予防を目的に世界約80カ国で行われている複十字シール運動の起源となった切手の横に貼るクリスマスシーズン限定のシールのこと。

1904年、デンマークの郵便局に勤めていたアイナール・ホルベルは、クリスマスカードに貼る切手の横に添える安価なシールを発売すれば、「結核で苦しむ子供達の為の療養所が作れるのではないか」と思いついた。そのアイデアはデンマーク郵便局に採用され、それから毎年、クリスマスが近づくと美しいデザインのクリスマスシールが発売されるようになったのである。その後、アメリカの赤十字社社員がデンマークのシール運動に共感し、自らもシールを制作、今では世界的規模の募金活動となった複十字シール運動へと発展したのである。

複十字シールのほうは、結核予防運動の世界共通シンボルマークである複十字(Double-Barred Cross、*下の画像参照)がデザインの一部に必ず入っているのであるが(以下の画像は財団法人結核予防会のサイトから引用)、

デンマークのクリスマスシールのほうは、Double-Barred Crossは必須ではないようで、そのぶんデザイン上の自由度が高いもよう。私は11月に伊勢丹新宿店で開催されていた「北欧コレクション」で初めてデンマークのクリスマスシールに出会い、いっぺんにその魅力のとりこになってしまった。全部欲しかったけどさすがに昔のものは値が張るので、4枚で500円〜1000円程度で買えるシートに絞っていくつか購入。

こちらは1976年のクリスマスシール。このいかにも北欧といった美しいブルーと、おちゃめなワンコが大好き。

1985年は赤いサンタ帽をかぶった少年と、男の子が大好きな乗り物のコラボ。

1998年は、「え?手書き?」と見まがう素朴なタッチと、紺、金、白のばしっとした配色が気に入って。

1967年は星がテーマ。ヨーロッパらしいモチーフで、正統派クリスマスシールという印象。

惹かれたきっかけは外観のかわいらしさだけだったけれど、その小さな紙片に込められた願いと、それが動かした世界中の良心を思うと、よりクリスマスシールが愛おしくなってくる。故マイケル・ジャクソンが歌ったように、このシールには「make it a better place」の精神が宿っているのだ。

<参考サイト>
複十字シール運動とは | 財団法人結核予防会公式サイト

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1 Comment to “世界を癒す、デンマークのクリスマスシール”

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