乙女チップス
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懐かしの郵便番号キャラ、ナンバー君〠

先日、初日カバーを探しに「切手の博物館」を訪れたとき、実はもう一つ大人買いしてしまったものがある。

それが、懐かしの郵便番号マスコット、その名も「ナンバー君」切手。

か、かわいすぎる! と思いませんか?

まんまるのお顔に長いまつげの大きな瞳。

切手の博物館内にある「世界の切手ショウルーム」(郵趣サービス社)で、カタログをぱらぱらめくっていて発見したナンバー君切手たちは、もう40年くらいも前のものだというのに、ほとんどプレミアもついておらず、まだ2枚で70円〜90円程度で買うことができた。大人買いといっても数百円で結構そろえられてしまう。

顔郵便マークは1968年7月1日の郵便番号導入に伴い生まれたかつての郵便局の記号。それに手足や胴体が加わったのが「ナンバー君」である。

ナンバー君の責務は、「郵便番号」を国民にPRすること。空を飛んだり、ポストになってみたり、「おたよりに郵便番号を」「郵便番号は住所の一部」と訴えてみたり、ナンバー君、八面六臂の大活躍です。

それにしてもこの記念切手、ナンバー君が可愛いだけでなく、数字のあしらいや色数を抑えた配色など、純粋にグラフィックデザインとして鑑賞しても、そのレベルはかなりのもの。

郵便番号制度リリース、という大きな節目だから、ひょっとして著名なグラフィックデザイナーにでも依頼して作った切手なのかな、と少し気になってネットで検索してみたら、郵便事業株式会社の「文化の小さなキャンバス 」というコンテンツを発見。その中の「切手デザイナーをご存じですか?」によると、なんと日本では、「たった8名という少人数で、年間約40種、年間総発行枚数5億枚を超える全ての切手のプロデュースしている」のだそう(!)。

これだけ多くの人に利用され、かつ愛好家も多く、発行点数も膨大な切手は、実はすごい少数精鋭部隊がデザインしてきたのだった。なるほど、ナンバー君切手のセンスがすばらしいのも納得。余談だけど、この「切手インサイドストーリー」、読み始めると止まらない面白さで、もっと更新してほしいです。前回の初日印でおしゃれと絶賛した航空50年記念切手は、久野 実さんという方が手がけたのもこの記事で知りました。

これは郵便番号5周年の記念切手。緑のほうは木の実が数字というのもかわいいし、青い方はポイントの赤が効いていておしゃれ。

もちろん、このおしゃれ感には、一色のラインだけでできている超シンプルデザインのマスコット、ナンバー君のたたずまいそのものも貢献している。こんなに可愛いのに、その上おしゃれだなんて、本当にナンバー君は偉い!

さて、そんなナンバー君も、Wikipediaによれば、1998年の「郵便番号の桁数が2つ増えるという歴史的パラダイムシフトに適応できず、その役割も終焉を迎えた」そうで、今ではあまり見かけなくなってしまった。

個人的には、JR東日本におけるSUICAペンギングッズのごとく、もしいま郵便局でナンバー君の小物や雑貨が売り出されたら、絶対に買っちゃうと思います。

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<関連リンク>
文化の小さなキャンバス | 郵便事業株式会社

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