乙女チップス
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神保町、蒐堂でアンティーク千代紙を

何かを包んだり、カバーしたりする実用品であり、消費されて失われていく宿命にしては、あまりにも美しすぎる千代紙。京都の公家文化がルーツで、江戸時代には武家から町民にまで普及し、その頃にはさまざまな文様を着物や帯にして着せる「姉さま人形」という遊びが流行したというが、確かに着物の柄にはうってつけの華やかさ。明治~大正期になっても女性や子どもたちへの贈答品としてその人気は衰えず、河鍋暁斎や竹久夢二などの売れっ子画家も図柄を手がけたという(参考:『NHK美の壺 千代紙』)。

写真の小鳥の文様が愛らしい千代紙は、神田神保町にある蒐堂(あかねどう)で購入したもの。市場に流出したアンティークで、お店の方いわく「職人さんが作った古いものは丈夫」なんだとか。引き出し4つぶんくらいのスペースに色鮮やかで多種多様な千代紙が収められており、その中から自分が好きなものを5枚選んでセットで1000円。いわゆる小奉書(こぼうしょ)と呼ばれる33×47センチ程度の大きさだから、一枚でもかなりたっぷりとしていて、そのお値段はかなり安い印象(2009年4月時点)。

クローズアップしてみると、素材の質感が伝わるだろうか。この風合い、手触りがたまらない。

幾何学模様やらお花やら、いろんなタイプを組み合わせてみた。他にもたくさん柄があって本当に迷った。アンティークで大量生産はしていないから、もう二度と手に入らないかもしれないと思うと……!

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蒐堂は、大正時代から昭和30年代のレトロな日用品等を扱うお店。場所はプードルケーキで有名な柏水堂の隣で、すぐ近くには乙女雑貨店Amuletもあるというカワイイものファンには魅力的な立地。千代紙だけでなかく、ごらんの昔の教科書や、古い絵葉書、ポスター、おもちゃに黒電話、懐かしいものがあふれていて、宝探し気分でついつい長居してしまう。

興奮して持ち帰った千代紙。モダン千代紙で話題のアニャンさんのレシピで、以下の「かんたん封筒」を作ってみようかと思案中です。

蒐堂
アニャンさんご披露の紙小物レシピ(アトリエ)





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ああ、美しい日本のご祝儀袋

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