乙女チップス
カワイイもの、古いものを集めた乙女派ウェブマガジン
ヴァンヴの蚤の市に行ってきた
Categories: かわいい, 雑貨

パリの休日の過ごし方として、公園でピクニックに並んでどのガイドブックもおすすめしてくるのが「蚤の市」。
地下鉄で行ける近郊エリアで有名なのはクリニャンクールとヴァンヴだが、前者はかなり巨大かつあまり治安がいい場所にないとの評判ゆえに、初心者でもおすすめなほどよい大きさの後者をチョイスし、初めて行ってみた。

ヴァンヴは、手頃な価格の生活雑貨が手に入りやすい庶民に人気の蚤の市。確かに、ざっと見回すと食器やキッチン用品、布やおもちゃ、企業のキャラクターグッズや手芸用品など、親しみやすいジャンルの製品が並んでいる。

そして、写真からおわかりのように、売り手も買い手も、若い女性は少ない。日本の乙女たちは若いのに古本屋さんや蚤の市へ出かけていってえらいなぁ、と改めて思うほど、圧倒的に中高年の姿が目立つ。

売っているものも、下の写真のような、日本の女子的カワイイ感覚からほど遠い感じのものも多く、「パリの蚤の市のかわいいイメージ」の醸成は日本の優秀なバイヤーさんたちの力がかなり大きいのではないか、と感じた。

パリの蚤の市ってきっとこんな感じ? というイメージで訪れるとちょっとがっかりする人もいるかもしれない。
しかし、この中から珠のようなかわいいものを掘り起こすのが楽しいのである。さて、掘るぞぉ!

これはちょっとかわいい活版印刷用の活字。フォントがすてきだったので惹かれたけど、この写真のフルセットは高くて手が出ず。他のお店で10ユーロくらいで1文字ずつバラ売りされているのを見かけたが、自分のイニシャルがないので買わなかった。自分のイニシャルだったら、かわいい文鎮代わりに買ってたと思う。

足元に飛行機をあしらったガラスのテーブル。かわいいけど持って帰れないのでパス。

パリ名物放し飼いのワンコ。かわいいけど持って帰れないのでパス。

という感じでぶらぶらと散策。最初の一個を買うまでわりと時間がかかったけど、一回交渉を経験してみると、なんとなく勢いがついて、結局以下の小物たちを購入。

1960年代頃に、フランスの食品会社「Unimel」が販売促進用として配ったという猫キーホルダー。何色もあって、集めているマニアも多いという人気グッズ。しっぽが欠けているので、1970年代のエールフランスの機内用のスプーン4本とナイフ1本とセットでトータル15ユーロにしてもらう。売っていたおじさんによると、エールフランスのこの頃のナイフはとてもレアなんだよ、とのとこ。

続いて、アンティークのスタンプ。2つで19ユーロなり。イニシャルなので、Mを購入。これは結構古くて、1900〜20年代のものなんだとか。ピアノを弾く女の子のモチーフが可憐なほうは1950年代のもの。

ダンボール箱の中にどっさり入っていたビール会社のコースター。よりどり32枚で15ユーロでいいよー、と言われたので真剣に選別。デザインがかわいい紙モノがたくさん揃ってうれしい。何かかわいい使い道を考えねば。

最後に買ったのは1920〜30年代のものだというボン・マルシェのミニプレート、18ユーロ。

ふー、満足!

最後に、ヴァンヴ初体験の感想を少し。素人の実感なので、蚤の市めぐりのプロから見たらわかってないことも多いかもしれないけど、どうかご容赦を。

谷あきらさん著の「パリの蚤の市」は、値段交渉のノウハウ、詳細な地図、商品発送方法やアンティーク豆知識などがバランスよく書かれているので、初めて行く人向けのガイドブックとして非常にオススメの一冊だが、そこにも記載があるとおり、値段交渉はハードにやると売り手を怒らせてしまうこともあるので危険らしい。パリ在住のRさんも同じ忠告をしてくれたので、いきなり安くしてよ、と言うのではなく「◯◯ユーロぐらいなら買いたいと思ってるんだけど……」という感じで交渉してみた。単純な元値の30%引きを狙うよりは、自分だったらこれぐらい払うかなぁ、という尺度を基準に、それより大幅にずれていたら諦める、もうちょっとだったら交渉してみる、ぐらいが良さげな印象だった。

あと、フランス語ができなくても大丈夫! みたいな記載があるガイドブックもあるけど、やっぱり通じないケースも多いので、値段交渉するなら筆談用に紙とペンくらいは持っていった方がいいような気がした。フランス語で数字を提示されてもわからないです……。

また、各種ガイドブックやネットには、「とにかく朝は早くいけ!」とことごとく書いてあるが、8:30位に行ってみたら、結構みんな準備中で、おじさんに「まだ開かないから昼寝してから後でおいでよ」と言われる始末だった。行った季節が4月はじめで、まだ肌寒い季節だったせいもあるかもしれないけど、個人的には10時ぐらいに行けば十分ではないかと思った。ただ、とはいえ結構規模が大きいのでじっくり見ていると平気で3時間ぐらい経ってしまうから、午後にもう一箇所回りたいなど忙しいトラベラーは、昼過ぎぐらいに行ってしまうと一日ここで潰れてしまうので時間配分したほうが良さそうだ。

土日両方行けば違う商品に出会えるかもとも思い、今回は両方行ってみたが、同じ商品を同じお店が並べていたので、よっぽど悔いが残ってない限りは一日でいいのではないかとも思う。

というわけで、初回ながらも多少の知恵がついたヴァンヴの蚤の市。結果的に満足のいく買い物ができてとても楽しかったので、次にパリに行く時もきっと再訪すると思います!

おまけ:仲間に取り囲まれて固まる放し飼いのワンコ。

<ヴァンヴの蚤の市情報>
ヴァンヴの蚤の市|蚤の市を楽しもう2 地図や基本情報など
フランス旅行パリ旅行便利情報 パリ観光情報 パリの蚤の市 ヴァンヴの蚤の市 バスやメトロ、トラムの入口などがわかりやすい地図に

<関連記事>
本記事と同じ2010年春に取材したパリのお店
大人可愛いモニーク・リヨネさんの刺繍の世界
パリのアンティーク村で紙モノざんまい
アンティーク香水瓶の専門店、ベル・ドゥ・ジュール

Comments are closed.