さて、前回シェイクスピア書店の記事で、書店萌えについて語った私ですが、今回は図書館のお話。
今年5月にパリに行った際、easyJetという格安航空会社を利用すれば、片道40ユーロほど(約4500円)で(※時期や時間帯によって異なる)プラハに行けてしまうことに気づき、ぶらりとヨーロッパの古都まで飛んでみた。
去年、神聖ローマ帝国の歴史にはまったのでかの栄光の歴史を辿りたかったのに加え、面白い建築が多いのと、なんかカワイイ雑貨がありそうなこと、そしてこの「世界でもっとも美しい図書館ベスト20」にエントリーしている、ストラホフ修道院を一目見てみたかったからである(ちなみに、前回ご紹介したシェイクスピア書店はMost Interesting Bookstores of the Worldに選ばれている様子)。
ということで、今回はパリ旅行のついでにプラハに飛び、前から写真を眺めては胸をときめかせていた図書館を訪れてみた。
簡素な入り口で入場料と写真撮影代(写真を撮る人は有料で腕章をもらう)を払って二階にあがり、その図書館に一歩足を踏み入れると、その先にはとつぜんこんな光景が現れる。
高い天井に、絢爛なフレスコ画の天井が美しい図書室「哲学の間」。修道院が作られたのは1149年だが、この部屋が整備されたのは1782年ごろ。哲学や天文学、数学に歴史、文献学などの本が並ぶ。美しいだけでなく、修道院らしい、荘厳な、どこか正しさも感じさせるインテリア。
続いて、手に触れるとほろっと崩れるのではないかという、白く変色した本が並ぶ廊下を奥へ。
しかし、この本はいつ出版されたものなのだろうか……
その奥に、ショートケーキのような天井の装飾が美しい「神学の間」がある。
1679年に作られた「神学の間」の名前の由来は、多くの言語のさまざまな版の聖書を所蔵していることから。半円天井に施された贅沢なスタッコ細工、ずらりと並ぶ大きな地球儀、神父の彫像や明るく丸い窓など、「哲学の間」よりにぎやかな印象の図書室だ。
天井画には、当時の神父の思想が現れているらしいが……ちょっと怖い?
幾度の戦争や災害を乗り越え、貴重な初版本などの蔵書を増やし続けてきたストラホフ修道院。中世の勉学熱心な修道士の気分を味わえる美しい場所だ。
<ストラホフ修道院>
http://www.strahovmonastery.cz
<関連記事>
・パリの伝説的書店、シェイクスピア&カンパニー
・山の中の古本王国、ヘイ・オン・ワイ
・アート・スピーゲルマンのねずみトート