乙女チップス
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パリの地下鉄フォトギャラリー

高さの揃った白い瀟洒な建築が立ち並び、その景観の美しさが世界中の観光客を魅了し続けているパリ。
そんな地上の美しさだけでなく、巨大な地下世界も一部のマニアから熱狂的に指示されているのをご存知だろうか。

2000キロ以上に及ぶ下水道網の一部を見学できる下水道博物館はパリの人気観光スポットだし、2004年には地下映画館も発見され、カタフィルなる地下愛好家も多数存在する。『レ・ミゼラブル』でジャン・バルジャンが逃げ回る巨大な下水道を思い起こす人も多いのではないかと思う。

そんなディープでかつちょっとスリリングなパリの地下世界の中で、もっともお手軽に楽しめ、かつかわいかったり美しかったりして胸がときめくのがパリのメトロだ。駅の歴史や周辺のスポットに対応してかなりコンセプチュアルにデザインされている駅も多く、ついつい途中下車してカメラを構えてしまう。今回は撮りためたパリのメトロの写真を一挙にご紹介。真似したくなるインテリアのアイデアも見つかるかも?

まずはじめは、3番線あるいは11番線のArt et Metiers駅。1994年に、この駅近くのパリ工芸博物館を運営するフランス国立工芸院(CNAM)200年祭にちなんで改修されたもので、ジュール・ヴェルヌのSF作品をモチーフにベルギーの漫画家がスチームパンクを意識してデザインしたのだとか。昔の蒸気機関車の内部に迷い込んだような気分になれる駅だ。

続いて、1号線のLouvre – Rivoli駅。もちろんルーブル美術館がモチーフ。1968年に古代美術のレプリカをプラットフォームに展示しはじめ、これがメトロの各駅をデコレーションしはじめた最初の試みなのだとか。

12号線のConcorde駅はアルファベットづくし。1789年の「人間と市民の権利の宣言(フランス人権宣言)」のスペルを並べている。フランス革命のときには「革命広場」と呼ばれ、マリー・アントワネットの首を刎ねた場所でもある現在のコンコルド広場の最寄り駅であることを表現。


13号線のVarenne駅は、近くのロダン美術館にちなんで「考える人」を設置。


4号線のSaint-Germain-des-Prés駅。こちらは時期によっては詩が一節が映し出されることもあるようで、駅がギャラリー化しているよう。

10番線のCluny – La Sorbonne駅。アーティスト、Jean Bazaineによる「The Birds」と呼ばれるモザイクの作品のほか、ラブレーやロベスピエールなど、著名な作家、政治家、芸術家の署名が描かれている。これは駅周辺である学生・芸術家が多く住むカルチェ・ラタンのイメージから作られたようだ。

1号線のTuileries駅。20世紀を10年ごとに区切ってコラージュ作品でまとめている。

と、コンセプチュアルなアートワークを試みている駅ばかり紹介したが、実は、プレーンな駅のデザインもとてもかわいい。

世界の公共交通機関の椅子コンテストがあったら、たぶん最高位につけるであろう、パリのメトロのシェル型の椅子。いろんな色があって、これがあるだけで、殺風景な駅がとたんに愛らしく変わる。

こっちのプレーンな椅子も、各駅で色が変わって楽しい。

ちょっとした乗り換えのときに通る地下通路が猛烈にフォトジェニックなことも多い。さすが世界有数の地下世界を抱く歴史都市だ。

あいにく天気に恵まれそうもない日は、1日乗車券を握ってメトロへGO!

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