去年のちょうど今頃、冬は寒くて外に出ないのでネットサーフィンばかりしている……という言い訳とともに、どんな雑誌をめくっている時間よりもわくわく過ごすことができるという理由でFlickrをおすすめするエントリーをお届けした私ですが、季節は巡り、また冬が来て、すっかり去年同様引きこもってネットばっかりやっております。
しかも、今年はFlickerよりもより雑誌的に楽しめる画像系サービスを見つけてしまいすっかり中毒気味。いま、アメリカで急激にユーザーを増やしているPinterestであります。
Pinterestは、IT系ニュースメディアでは、画像キュレーションSNS、写真共有サイトなどと表現されるけれど、利用した印象としては、オンラインスクラップブックといったほうがわかりやすいと思う。
雑誌をぱらぱらとめくり、気に入ったものを見つけたら、切り取ってノートに貼付ける、といった、ネットがない時代から女性たちがやっていたことと似た体験を提供してくれる、眺めるのも集めるのも楽しいサービス。
似たサービスに先行のTumblrというものがあるけれど、Pinteresは、Tumblrよりも、ファッション、ガーデニング、手芸、雑貨、インテリアなど、カテゴリによって情報を分けて配信しようとしている姿勢が雑誌っぽい。Tumblrの面白さは、どんな情報が流れてくるかわからないバラエティ感にあり、Pinterestは自分が欲しいカテゴリを選んでいるというセレクト感にあるように思う。
しかもそのカテゴリが、ファッション、ビューティ、インテリア、旅行、ウェディングと、女性誌とカテゴリとかなり近いのだから、女性ユーザーがとても多いのだ。ロゴも赤文字（笑）でいかにも女性ターゲットというイメージ。
こちらはあるユーザーのfashionカテゴリのページ。まんまファッション誌ですよね？
使い方はとても簡単。まずはサイトトップの「Request an invite」からメールアドレスを登録して招待状をゲット。メールが届いたらユーザー登録してとりあえずレコメンドされた人気のユーザーを10人ぐらいフォローしてみる。あとは、流れて来る写真を眺めるか、カテゴリごとに探すページがあるので、そこでお気に入りのテーマからどんどん「Repin」（Pinterestでは画像をクリッピングすることをPinするという。Repinとは、誰かがPinしたものを自分もPinする、という意味。Repinした写真は自分のページの指定のカテゴリ（ボードという）に貼付けられる）するか、自分で写真をアップロードしてもいい。
たとえば私のボード（掲示板）はこちら。こうやって好きなカテゴリを作って、気に入った写真をどんどんスクラップしていくだけ。収集癖のある方は、やりだすと止まらないと思う。
画像の上にあるRepinかLikeを押すだけでスクラップ完了！
ファッション雑誌やインテリア雑誌をめくっているときとほぼ同様の楽しさが味わえるPinterestだが、楽しむには、雑誌を「購読」しないと始まらないし、より多く購読したほうが楽しい。ここでいう雑誌とは、独自のセンスで写真をコレクションしているエディターともキュレーターともいえる個人（ときどき会社）。自分の好きなタイプの写真を流している人がいたら、雑誌を購読する気持ちでフォローしてみよう。PiterestがTumblrに比べて雑誌っぽいのは、人単位でフォローするのではなく、その人の指定のカテゴリだけをフォローすることもできる点。たとえば、特定の人のインテリアカテゴリだけフォロー、なんてことも出来てしまう。
誰をフォローしていいかわからない人のために、こんなガイドページを作った人もいるので、私もまだ初心者ながら何人かレコメンドしてみたいと思う。みな、ファッション、ビューティ、インテリアなどのカテゴリが充実していて、女性フォロワーが多そうなのは共通しているのだが、「このカテゴリはちょっと変わってない？」というのが混じっているのが楽しいので、画像ではそちらをフィーチャーしてみた。女性たちの趣味の多様性も含めてぜひチェックを。
♥ Joy Cho / Oh Joy!
フォロワー80万人超え、デザイナー数人が参加して運営しているOh,joyという人気ブログのアカウント。ファッション、ヘアスタイル、お花にイラストレーションと、女性が大好きなテーマがずらりと並ぶ。変わったカテゴリとしては「風船」！
風船好きはぜひフォローを。
♥ Design Quixotic
NYブルックリンのアートディレクター＆グラフィックデザイナー。パッケージ、ポスター、パターン、タイポグラフィ、グラフィックデザインなどのすてきな画像が多い。変わったカテゴリとしては「いかり」。
いかり好きの人はぜひフォローを。
♥ Caitlin Cawley
35万人以上フォロワーがいる人気のキュレーター。インテリア、ファッション、ヘアスタイル、ジュエリー、ネイルと、これぞ女性誌定番！なカテゴリがバランスよく並ぶ。そんな中で「マッチ」というカテゴリを作るところが中々すてき。女性誌ではマッチ特集、たぶん難しいものね…。
マッチ好きな人、結構いますよね。
♥ Leah Dent
こちらはオーストラリアのデザイナー。本棚、iPhoneケース、階段など個人的に大好きなテーマを扱っているのでお気に入り。変わったテーマというか、個人的にかわいくて悶絶したのが、以下のsalt and pepperカテゴリ！
とてもこの中から一つは選べない、というかわいさ。
♥ Cici Absolutely white
フィンランド、ヘルシンキのキュレーター。Styleカテゴリに掲載されているファッションはどれもとても素敵。ウェディングやアート系の写真も充実。変わったカテゴリとしては、我らが折り紙！
女子は紙ものが好きって世界共通？
♥ Seamless Creative
ポスター、ブックカバー、文房具、カリグラフィーなどのセレクトが秀逸で、グラフィックデザインが好きな人は眺めているだけで楽しいと思う。変わったカテゴリとしては、地図があるけど、グラフィックデザインを手がけるひとは割に気になるテーマなようで、この人以外でもカテゴリに設定している人を何人かみかけた。
おしゃれでわかりやすい地図って案外見かけないよね。
♥ Erin Loechner
デザインやインテリア系のライターさん。アート、雑貨、インテリアなどからセンスの良いものをピックアップ。ファッションのすてきな細部をクローズアップした写真をセレクトしている「It’s In The Details」あたりが変わったところか。
おしゃれは細部に宿る
♥ Jane Wang
しかしフォロワー200万人超えってすごいね…。家具、フード、雑貨、子育て関連などが並んでいて、雑誌でいうとMartみたいなノリなのかも。変わったカテゴリではキリンやタコもあったけど、今回はかわいいのでカップケーキのカテゴリを掲載。
かわいくて食べられない
♥ Inge Falappino
ファッション、紙もの、ラッピングなどのセレクトがとても素敵だけど、クラウン、コルセット、クラシックなドレスなど、もしかしてコスプレが趣味？ というカテゴリも多い。以下はスチームパンクカテゴリ。
コスプレイヤーには人気のカテゴリ
♥ Present & Correct
オリジナルの雑貨や文具を販売している（らしい）webショップのアカウント。日本の雑貨ファンが好きそうなテイスト。本、ゲーム、文具、チェコ（♡）なんていうのに加えて、みんな大好き切手のカテゴリも。
♥ Virginia Stevenson
ファッション、インテリアのほか、セレブリティやドア、橋、小道、巣などのカテゴリもある。個人的に階段のファンなので、階段カテゴリをついつい眺めてしまう。
♥ Brittany Jepsen
デンマーク、コペンハーゲン在住のアメリカ人デザイナー。インテリア系が充実しているかも。変わったカテゴリは、デンマーク在住ならではの「スカンジナビアン」。
♥ Cody Stonerock
きりっとかっこいいシンプルなデザインが好きな人はフォローするといいかも。変わったカテゴリはないけど、パッケージのセレクトはなかなかすてき。
さて、その他にもとっても素敵なキュレーター、エディターがたくさんいるので、あとは以下にざざっと列挙。
♥ Agus Andreoletti
ドイツの女性。カテゴリはファッション、インテリア、雑貨などだけど、肩章やマスクなんていう、ちょっと変わったものもあって楽しい。
♥ Em
フローリスト兼イベントデザイナーの女性ゆえ、ウェディング、フラワーアレンジメント、ウエディングケーキ、パーティ演出系の写真が充実。
♥ Heather Spriggs
ほとんどインテリア系の話題。パステルで、お花で、ふわふわロマンティックな画像がいっぱい。甘〜いテイストが好きなら気に入りそう。
♥ Leigh LaMon
この人はカテゴリの作り方がすごくおしゃれで、スクラップされている写真もおしなべてすてき。変わったカテゴリはないけど、動物カテゴリに載ってる写真はどれも激しくかわいい。
正直、もっともっとたくさん素敵なキュレーターがいると思うので、ぜひこの広大な画像の海へ漕ぎ出して、あなたのお気に入りの「雑誌」を探してみてくださいね！
＜関連リンク＞
• Flickrで春のガーリー・インテリア探し
• 古写真の中の美しい女性たち
