乙女チップス
カワイイもの、古いものを集めた乙女派ウェブマガジン
文具レーベル、ユルリクが週末ショップをオープン

暮らしの中で見つけた「小さなユーモア」をテーマに、2005年から活動している「yuruliku(ユルリク)」。
今年発表した最新作、草むらになる付箋「GreenMarker」も話題の小さな文具レーベルが、この6月5日(土)、週末限定のショップ「BUNGU AND DESIGN」を御茶ノ水駅近くにオープンする。

場所は、『はじめての手製本』などの書籍やオリジナルノートなどで有名な製本屋さん「美篶堂」(みすずどう)の隣、趣きのある古い階段を降りた地下一階。神田川に面しているので、地下とは思えないほど明るい光が差し込むアトリエ兼ショップである。


ショップの入口もどこかノスタルジックな佇まい

山梨の廃校になった洋裁学校から譲り受けたというテーブルや椅子に、昔ながらの文具をモチーフにした雑貨やカバンがディスプレイされた、どこか懐かしい佇まいの店内。窓の外に流れる神田川の風景も、いつまでも変わらない子どもの頃の記憶のようなショップの雰囲気に一役買っている。

yurulikuは、池上幸志さんとオオネダキヌエさんの二人によるクリエイティブユニット。池上さんは、川島織物で自動車のシート用テキスタイルのデザインと開発を長年担当、オオネダさんは、ステーショナリーメーカーでカード・雑貨などの商品企画とデザインに携わっていたというキャリアの持ち主。
2007年から台東デザイナーズビレッジ2期生として3年間台東区を拠点としていたが、今年の春、美篶堂さんからこの場所に空きが出たと教えてもらい、移動を決意した。

「活動をはじめて最初の個展を美篶堂さんでやらせていただいたので、ご縁のある場所なんです。昔、神保町の版画工房に通っていたので、御茶ノ水は懐かしい場所でもありますね。あと、実は電車が好きなので(笑)、3路線が楽しめる窓からの風景も気に入っています」と、オオネダさん。

こちらは2005年に開催した初めての個展で発表して以来yurulikuの顔となっている、ノートをイメージしたバッグ「Note bag」。大学ノートなどに使われる毛表紙の手触りを再現するためにフェルトを用いたこだわりの一品。縫製が大変ゆえに、今も池上さんがハンドメイドで作っている。量産できないので、あまり他店舗にもおいておらず、注文を受けてから製作するスタイルで販売してきた。

「デザインを通して文具を考え、文具を通してデザインを考える」というyurulikuは、このNote bag以外にも、文具モチーフの雑貨が多いのも特徴だ。

こちらは折れ線グラフを表現したロールペンケース。

懐かしい赤青えんぴつや赤青磁石からデザインした赤青ペンケース。

三角スケールからイメージしたペンケースに……、

円グラフモチーフのバッグ!

クラス分け風の数字をプリントした丈夫な綿帆布のトートや、ゼッケンを思い起こさせるケース。子どもの頃に親しんだモチーフが、紺や赤、白などの「学校カラー」でデザインされているから、新しいのに、ずっと前から知っているような安心感を与えてくれる。

「昔からあるふつうの文房具が好きなのですが、ステーショナリー・メーカーにいたときはなかなか作らせてもらえなかったので(笑)、今は楽しんで作っています」とオオネダさん。
「だいたい半年に一作ぐらいのペースで新商品を開発しています。お互いアイデア帳みたいなものを作っていて、定期的に打合せして、一緒に仕上げていきますね。今年の夏ぐらいには、ここに展示してある革製のペンケースもリリースさせたいな、と思っています」と池上さん。


大切な万年筆を一本だけ入れる、というコンセプトで作っているという定規モチーフの皮ペンケース(まだ開発中)

数多くのプロダクトをリリースしてきたyurulikuだが、一番話題になったモノを挙げるとすれば、やはり今年発売した付箋、「GreenMarker」だという。
これは、yurulikuのオリジナルプロダクトとして、ポストイットで有名な住友3Mに製造を依頼した、初の「大量生産」アイテム。

形がカワイイ付箋は数あれど、使った後に知識の集積が草むらを形作るように、「使用後」のあり方までトータルで考え抜かれたデザインはとても珍しい。このコンセプチュアルな付箋は、海外のブログに紹介されて話題となり、最近では欧米から直輸入を求めるメールもたくさん来ているのだとか。


草の質感にもこだわり抜き、不忍池で各種草をウォッチングして理想の形を見出したという(詳細な開発秘話はこちら)

東京だと、青山と自由が丘のCIBONEほか、上野の森美術館のショップなどでも発売中。

とはいえ、Green Marker以外は今でも多くをお二人で手づくりされているというyurilikuの商品。
ゆえに他店に卸す量はごく少量で、「BUNGU AND DESIGN」でしか買えないモノも多いという。試作したものや、数量限定で作ったものは、在庫がなくなり次第終了とのことなので、気になるものがあったら早めにお店に足を運んだほうがよさそうだ。

<SHOP DATA>
yuruliku http://www.yuruliku.com/

BUNGU AND DESIGN 2010年6月5日(土)、ゆるやかにオープン!
Address:東京都千代田区外神田2-1-3東進ビル新館B1 <地図>
Open:12:00 – 19:00(金・土)

※不定休日あり *営業日はこちらでご確認ください。
Tel:03-6206-8681

オフィシャルオンラインショップ http://yuruliku.shop-pro.jp/

<関連記事>
D-BROSのかわいい目隠しシール付きカード
ゼムクリップのカワイイ化が進行中
花瓶に生けたい文房具、ボタニカルペン

1 Comment to “文具レーベル、ユルリクが週末ショップをオープン”

  1. http://otome.chips.jp/?p=1534 小さな文具レーベル、ユルリクが週末限定ショップをオープン | 乙女チップス | カワイイ情報いっぱいのウェブマガジン