ヴァンヴの蚤の市では、けっこう可愛いものを発掘するのが大変だったと以前サイトに書いた。
なので、誰かが蚤の市で手間暇かけて掘り出したものが、その苦労代を載せるのを忘れちゃったかのようなリーズナブルな価格で並んでいるお店があったら、そっちに行ったほうが、楽しいかは別にして、ずっと賢いと思う。
そして、そんな賢い古いもの探しをしたい向きにオススメなのが、ピガールにある「Et puis c’est tout !」(エ・ピュイ・セ・トゥ)なのだ。
このブロカントの特徴は、非売品・限定品であることから、ヴィンテージ界で人気が高い広告グッズ・ノベルティが充実していること。
「Et puis c’est tout !」には、そんな「お金で買えなかったもの」たちが、蚤の市よりひょっとして安いかもしれないくらいの低価格で売っているのである。
たとえば、ここに並ぶキーホルダーたちは、大抵1〜2ユーロぐらい。おみやげにまとめ買いしたくなる価格!
すっきりとした店内に、美しくディスプレイされた状態の良いグッズたち。快適にエレガントに、蚤の市価格でお買い物が楽しめてしまう。
オーナーのヴァンサンさんは、銀行員、クラブメッドのスタッフを経て、13年前にこの店をオープン。物心ついた頃から、道端に落ちているものなどを集めていたと言う、筋金入りの収集家だ。
フランスのお酒メーカー、リカールの水差し。日本でいえば「KIRIN」みたいな感じかしらとも思うが、かわいい。
高いところにはエール・フランスグッズが並ぶ。
好きなブランドはジタンとエール・フランスと言う、国産企業好きのヴァンサンさん。フランス企業のグッズばかりのブロカントに出会えるのもパリならでは。
さて、下の写真は、お洒落で隙がないかに見えたお店で見つけた脱力ポイント。「監視カメラが見ています」という既製のステッカーの、「監視カメラ」の部分を「猫」と書き換えて、愛猫の写真を添えている茶目っけぶり。
「猫が好きなの?」と声をかけると、デスクの中からわざわざ愛猫のリリーちゃんのアルバムを持ち出してペット自慢。さっきまで淡々としていたのになんとも嬉しそうな顔! 猫バカって世界共通なのね、と微笑ましく思いました。
残念ながら猫グッズはあまりないみたいだけど、50〜70年代のフランスのノベルティを探しに、モンマルトル散歩の際にはぜひ立ち寄ってみたいお店である。
<Shop Data>
Et puis c’est tout !
72, rue des Martyrs 75009 Paris
Tel : 01 40 23 94 02
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