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雑貨好きを標榜している私ですが、実はいまだ蚤の市というのものに行ったことがない。

パリのヴァンヴなどに行ってみたいー、などと憧れを抱いてはや幾年月、目利き、言語両面で自信がないのに加え、あの膨大な、ガラクタかもレアものかもわからないモノたちの中から良いものを掘り起こす気力、体力、センスすべてに欠けており、やはり日本の優秀なバイヤーさんが見つけてきてくれたものをありがたく享受するほかないという結論に落ち着いているのであります。
ただ、いつかはきっとという切ない思いから『パリの蚤の市』の類いの本ばかりが積まれていく日々。ああ、やっぱり行ってみたい！

そんな私の願いがバーチャルにかなう場所が都心にあったのでぜひご紹介したい。週末のみオープン、ホームページも見当たりにくい、知るひとぞ知る雑貨店「Mitte」（ミッテ）である。

本郷三丁目駅から徒歩３分の好立地にたたずむ、昭和の香りを色濃く残すレトロな建物の四階にあるミッテは、当初ネットショップを運営していた店主が週末のみの営業でおととしの８月にオープンしたお店。
ミッテとは、ベルリンの一区域の名前で、東ドイツ時代の中心地だった場所。数年前、ドイツ語の”東”と”ノスタルジー”を組み合わせた「オスタルジー」という言葉とともに、ベルリンの若者の間で旧東ドイツふうのデザインが大流行した際にも人気エリアとなった地区だ。
そこが店主の大好きな場所であることから店名に採用されたんだとか。

旧東ドイツのおばちゃん御用達買い物袋が並ぶ店内。

とはいえ、ミッテ店内に並ぶのは、そんな”オスタルジー”グッズばかりではない。北欧・東欧やドイツ、フランス、ロシアの蚤の市や市場で買い付けた雑貨、絵本、マッチラベル、切手、生活用品、人形、雑誌やレコード……とにかくかわいいものならなんでも、といった風に、さまざまな国のモノたちが所狭しと積まれている。まるで蚤の市に来たような「発掘する喜び」を喚起してくれるすてきな雑多感！　それでは、さっそく掘り起こしてみましょう！

こちらはロシアの古い科学雑誌。いかにもレトロフューチャーといった表紙デザインが今見ても斬新。

ロケットの作り方や飛行機特集があるかと思えば、何やらおしゃれなファッションページもあったり、これぞ雑誌！　な幅の広い記事ラインナップ。誌面全体に未来への希望というか、技術や進化への憧憬が感じられるところも今見るととても新鮮だ。こういう、文明や進歩へのストレートな憧れって、ここのところすっかり失ってしまったなぁ、などと停滞の時代に生きる人間としてちょっと切なく感じてしまう。

上はハンガリーのペーパーナプキン。モダンでかわいい柄と色、使うのがもったいない！

上に並ぶのは、一個100円という安さで売られていたアメリカの古いマッチコレクション。

こちらはちょっとレアな一品。この大きさでマッチのほうにまで文字が入っているのは珍しいそう。

ドイツの猫はがきコレクション。ドイツ版こども徹子といったたまねぎヘアの女の子がかわいくて思わずゲット。

その他目についたあれこれ。ドイツの古切手、ハンガリーのスーパーのスポンジ、パリの裁縫キット……どれもこれも欲しくなってしまう。

「本当はセレクトショップみたいにきれいにディスプレイしたい気もするんですが……」とミッテ店主。いえいえ、この中から見つけ出すのが楽しいんですって！

■ショップ情報

〒113-0033　東京都文京区本郷3-33-3　本郷ビル4F

Mitte（ミッテ）
http://mitte.lomo.jp/

Tel 03-3816-5816
営業：土・日・祝日（不定休）　不定休のためTwitterで当日の営業時間を告知するスタイルを取っているので、訪れる前にはアカウントをチェックしてみて。http://twitter.com/ZakkaMitte
＊記事で紹介した商品は取材時のものです。在庫の有無等が気になる方はお問い合わせを。

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