乙女チップスでダントツ人気の記事は、沼田元氣さんの鎌倉のショップ「コケーシカ」関連のもの。日本の女子たちってば本当にこけしとマトリョーシカ好き過ぎ!
……と思っていたら、乙女の憧れ・お巴里においても、なんとこけしブーム到来!?
このこけしを見つけたのは、パリのアンティーク村、ヴィラージュ・サンポール。「オ・プティ・ボヌール・ラ・シャンス」取材のときに、まるでヌマ伯父さんのお店のごとく、こけしとマトリョーシカをお店のウィンドウにあしらっているショップを発見し、思わずドアを開けてみた。
「corner shop」は、アンティーク村には珍しいコンテンポラリーな雑貨を扱うショップで、今年でオープン9年目。設計事務所で地図などを作っていたというブリジットさんが、パートナーのパスカルさんと二人で経営している。もともと旅を通して雑貨を探すのが好きだったと言う二人だけあって、扱う商品もインターナショナル。フランス以外では、イタリア、オランダ、日本の商品が多いという。
われらが深澤直人さんのカバンも発見。
カラフルでモダンな商品が並ぶ素敵なショップだが、やはり気になるのは入店のきっかけになった国籍不明の「こけし」の正体。
コンテンポラリー雑貨にしっくり馴染んでいるちょっと不思議なルックスのこけし、これって日本のものなのか?
「これはオーストラリアの会社”Kimmidoll“のもので、商品名は”Kokeshi”。デザイナーは日本人とオーストラリア人のユニットだと聞いてるわ。実はいまちょっとフランスではこけしが流行中なのよ」とブリジットさん。
やはりパリにもこけしブームは到来していた! でも、日本で人気のこけしは、もう少しクラシックな印象のものが多い気がするが……。
「私も日本に行ったときに伝統的なこけしをいろいろ見たのよ。でもちょっとフランス人にとってはキッチュなイメージで、欲しいと思うものに出会えなかったの。Kimmidollの素材は樹脂で、デザインもモダンな印象があるので私のお店のコンセプトに合うの」とのこと。
イッタラになじむKokeshiの図。
このkimmidollは、それぞれのこけしに名前と意味があり、コレクターズアイテムになっているそうだ。
それぞれのデザインにアケミとかアイコとか名前がついている(”画像はKimmidollのサイトより“)
大きいサイズのモデルは毎年2モデルほど出るが、全部ナンバリングしてあり、現在16体ぐらいしか市場に出ていないのでわざわざ噂を聞きつけてこのショップまで探しに来るコレクターもいるのだとか。
さりげなく店内のデザインにも採用されているこけしとマトのペア。やっぱりこの二つ、運命的に結ばれているとしか思えない。
こけしはともかく、マトリョーシカはパリでも普通に人気のようで、グッズになっているのをいくつか見かけたし、専門店もあった。
サンジェルマン界隈で見かけたマトリョーシカ専門店。こんな数の入れ子が出来るのか……。
まぁヨーロッパなので、マトリョーシカはふつうにずっと人気なのだろうし、もはや馴染んでいる定番商品なのだろう。でも、こけしブームを牽引するのがオーストラリアの企業というのもいささか寂しいので、kimmidollをきっかけに日本の伝統的こけしも少し見直されると日本人としてちょっと嬉しい。
<ショップ情報>
・corner shop
3, rue Saint Paul 75004, paris <map> tel 33(0)1 42 77 50 88
・Kimmidoll ※英語のみ
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コケシかわいい http://bit.ly/ccdULk